…思いついたので、書いちゃえ。

「OASYSのひみつ」

…今となっては、
秘密でもなんでもないんだけどね。

富士通、実は
「日本語ワープロの開発が
 すごく遅れていた」
東芝がJW-10を
とっくに発売してたのに。
(ただ、聞くところによりますと、
 東芝、某官庁に入れた
 「日本語タイプライター配列を使った、
  日本語処理システム」が実は
 大失敗だったので、
 それを転用して、
 かな漢字変換を入れた…という
 説も、あるらしい)

「じゃあ、もう、
 大型汎用機で使っている
 エディタを転用しちゃえ!」
そんなノリで間に合わせた…のが
実はOASYS。

なので、他社がすでに
「複文節変換」
『きょうはいいてんきですね<変換>』
これが出来ていたのに、
「文節変換の方が、確実で速いんです!」
『きょうは<変換>いい<無変換>
 てんきですね<変換>』
…この方式を、頑なに採用していた。
実は、複文節変換が
「完成して、なかった」…らしい。
そして…日本語を解析して変換候補を出す
『形態素解析』を…ブン投げた。
(後期のOASYSでは、
 複文節変換が搭載されました)

ただ、「良い結果」も、もたらした。
文節変換、慣れてしまえば、
「リズムよく入力ができる」
…あたしも今でも基本的に
文節変換なんだよね。
複文節で打って、
変換間違いの文節を修正するなら、
文節変換の方が速いよね。
そして『形態素解析』をブン投げた…つまり、
「変換を押す前に、
 どんな入力をしていようとも」
変換候補は、
前回に変換したもの>前々回に変換したもの…と
なっていたために、
慣れてしまえば、何と
「画面を見ずに、原稿を見続けたまま」
入力をすることが、可能だった。
なぜなら…
「変換候補を、覚えることが可能だったから」
この漢字は、前回確定させたから、
一回で出るか。
この漢字はー、前々回で確定だから、
二回で出るか…と。

そして、
「日本語入力を、研究して、
 理想的なキー配列を作りました!!」
…親指シフト配列。
確かに、右シフト・左シフトを使うことで、
少ないキー入力で入力をすることができた。
ただ、大きな欠点もあった。
「最初、どう打てばいいのか、
 さっぱりわからない」
親指シフト派は、こう言った。
「配列を全て、覚えなさい。
 左上から、『うしてけせは』」
『そんな、まどろっこしいこと、
 やってられるか!!』
ヘビーユーザーと、ライトユーザーとで
かなりの温度差が出た上に…
NICOLA規格として、整理して
規格化したのに…
富士通以外では、ほとんど採用されず。
あたしも仕事で端末足りなくて、
FM-Rをかき集めたら…
「くそぅ…親指シフトか!!」
まぁただ、あくまで
「MS-DOSで、F6680端末として使用」
だったので、
「ローマ字入力すりゃいいでしょ!」
と、…言い訳したけどね。
そして、親指シフトも、
NICOLA規格も…
ほぼ、姿を消しました。

ワープロとしての使い勝手も、
他社とはかなり異なった。
…だって、大型汎用機の
エディタにお化粧したようなもんだもん。
一文の長さや、一ページ何行か…
初めての人には、ページ設定ができない。
なぜなら…
「1ページ目を出したところで、
 『前頁』を押したところ、
 通称『0頁』で設定」という、
『こんなもん、わかるかよ!!』
という仕様だったので。

ただやはり、良い面もあった。
0頁を克服できれば、
逆に言えばページ設定は、
「0頁を出せばいい」
そして、文字を打つキーの
上や横にある専用キーから
機能を開始しなければならないけど…
「専用キーを覚えちゃえばいいので」
慣れると使い勝手が良かった。
「罫線、どうやって実装しよう…
 …拡張機能キー押しながら、
 カーソルキーじゃ、だめ?」
確かに、この方法だと、
最初、罫線の引き方が思いつかない。
けど、わかってしまえば、
・拡張機能キーを押しながら
 カーソルキーを押せば
 罫線が引ける
・拡張機能キーと、シフトキーを押しながら
 カーソルキーを押せば
 罫線を消せる
(昔のことなので、間違ってたらゴメン)
「罫線を引く」ということを、
意識することなく、罫線を引くことができた。

「苦肉の策」として解決させた方法が、
実は文章を入力するためには、
理にかなった方法だった。
…偶然であっても。

なので、
OASYSは、
「ワープロならOASYS」という
根強いファンが数多くいた。


ただ、
『肝心なところでコケるのが、
 富士通なんだよ!!』
ワープロからパソコンへ
世の中が変わりつつあるとき、
富士通もパソコン用のOASYSを
開発したんだけど…
「OASYSの思想と、
 パソコンの思想が混じっちゃって、
 使いづらい…」
という面もあった。
(OASYS専用機モードにすると、
 実は使いやすいんだけど、
 それ使うには、
 『ワープロのOASYSの経験』が
 必要…という、無理難題な作り)
そして富士通、見放したか…
『と、思いきや』
OASYS V10、
影が薄いけどまだ売ってるし、
Windows10 64bitでも動く!
…ただ、離れたユーザは
戻ってこないような。
だって、OASYS V10の「次」が出るか
さーっぱり、わかんないんだもん!!

あたしも、たまーに
買おうかな、とは思うんだけど…
『富士通、ちゃんと、続けてくれるの???』

ただ、最初出遅れたのに、
「今でも続いている」…
OASYSだから。
唯一無二のOASYSだから。
…そんな気がします。
…富士通はどう思ってるか、知らないけど。