メモリだって、
「刺したら動く」んだから。

あたしが中学のころ。
…PC-9801VMとか、まだいたよね。
中学校は確か、
教員用コンピュータ室は
PC-9801UVだったはず。
生徒用の立派なコンピュータ室は
…なんだっけぇ?
80286が乗ってたはずなので、
時代的にPC-9801EXとか?

「メモリなんて、
 640KBっきゃありません」
今のデジカメのJPEG画像より
ちっちゃいんじゃないの?
MS-DOSが基本的に
640KB、という世界だったので。
ちょうど、一太郎Ver.4が出たあたりだけど、
アイツは実は「不評」
一個前の一太郎Ver.3.1が
フロッピー一枚で動くので、
A:ドライブに一太郎のフロッピー、
B:ドライブに保存用のフロッピー入れときゃ
動いたんだけど、
一太郎Ver.4は使えるようになるまでに
「フロッピーが最低2枚必要」
どう使ってたんだっけ。
A:/B:両方に突っ込んだんだっけ。
途中でA:ドライブのフロッピー
交換したんだっけ…忘れた。
ジャストウィンドウという、
「一太郎も、花子も、同時に動きます!」
という、仕組みがあったんだけど、
ジャストウィンドウを
まともに動かしたければ…
40MBとか、そういう世界の
HDDを用意した上で、
「たかーい、たかーい、
 EMSメモリが必要」
当時のメモリって、
種類があった上に、
10万円とか、平気でしてたんだから!
一太郎Ver.4は、
「640KBのメモリでも、
 ぎりぎり動きます」だったので、
あんまり評判のいいものではなかった記憶。

じゃ、EMSメモリを買ってきたとする。
次にやることは…
「CONFIG.SYSを手で編集して、
 デバイスドライバを組み込む」
DEVICE=うんちゃらかんちゃら、とか
手で、打ち込むという
現在では、考えられない方式。
うっかり間違えると「起動しません」
なので、大体の人は、
MS-DOSが起動できて、
何らかのエディタが入っている
「緊急用フロッピー」を持っていたはず。

MS-DOSもVer.5とかVer.6.2になると、
「640KBの壁」を突破できたんだけど…
あいかわらず、
「640KBから上のメモリを使用するには、
 CONFIG.SYSを手で編集して
 デバイスドライバの組み込みが必要」
Microsoft謹製は、
HIMEM.SYS + EMM386.EXEだったんだけど、
あたしの周りで人気があったのは、
I-O DATAのVMM386.EXE。
小さな冊子がついてきて、そこには、
「PC-9801/9821のメモリマップ」が
載っていた。非常にありがたい。
…なんでか。
何にも考えずにデバイスドライバを
組み込んでいくと、
「たった640KBしかないメインメモリ領域に
 組み込まれてしまう」
結果…MS-DOSのプログラムが
メモリ不足で「うごかねー」
そこで、UMB領域って言って…
ざっくり言うと、
「640KBから上、1024KBから下」
ここはいろんなシステムが使っているんだけど、
そこの隙間をメモリマップから探る。
「…SASIは使ってねーから、いける?」
で…MS-DOSのシステムやら、
デバイスドライバやらを、
「アドレス指定」で、何とか突っ込む!
…はいった!!
なので、PC-9801/9821のMS-DOSの世界で、
「メインメモリの空きが600KB」
頂点に立ったような世界だよ?
もっとカリカリにやると、
620KBとか、いけたっけ?
MS-DOS自体が要求してくるので、
640KBぜんぶ空き…は、できなかったはず。
このへんが、ムチャクチャ上手いのが実は、
「エロゲーやってる人」
当時のエロゲーは、メモリをやたらと
要求したので。
「たった640KBっきゃないところを!!」
「それしかないから、使わせろ!!」
この、せめぎあい。

ぱぱーん
「Windows3.1の普及」
便利になったようで…
「めんどくさくなった」
Windows3.1は、MS-DOSの「上で」動いていたので、
CONFIG.SYSで、MS-DOSのドライバ当てて、
Windows3.1独自のものは、
WIN.INI/SYSTEM.INIで記述して…という
Windows10からすれば、
すっげーメンドクサイ世界。
基本的にWIN.INI/SYSTEM.INIは
インストーラが書き換えてくれるんだけど、
しくじると、やっぱり動かなくなるので、
例のごとく「緊急用フロッピー」

じゃん
「Windows95の登場」
MS-DOSなんて、知ったことかぁ!
…と、なっていたんだけど…
内部的には、MS-DOSを引きずっていたので、
変なドライバ食わせれば、動かなくなるし、
何かありゃー「落ちたし」
あたしは、Windows3.1をOS/2上で
動かしていたんだけど、
Windows95…「逆に、不安定になってねーか?」
そこで、とっとと
WindowsNT 4.0に移行しました。
WindowsNTは、MS-DOSとは別の世界で、
とっくの昔にMS-DOSとは決別していたので。
このあたりから、メモリであれば、
「ただ、刺せば使える」ようになってきた。
ただ、やっぱり
何か周辺機器とか買ってくると、
「レジストリを手で書き換えろ」とか、
平気な顔して「マニュアルに書いてある」時代。


今じゃーさー。
デバイスドライバの組み込みだって、
インストーラなんていう、
ありがたいものがついているし、
メモリは「ほぼ、平面」
載せたら載せただけ「使えます」
Windows10 64bitだと上限は、
Homeで128GB/それ以外は2TB
けたちがいどころでは、ありません。
タイムマシンでMS-DOS6.2の世界へ行って、
「2020年だと、
 メモリってただ、刺したら動くんだよ?」と
MS-DOSの
メインメモリ確保に苦しんでる人に言ったら…
「嘘ぉ!!!!」
たぶん、驚くどころじゃないと思うよ。
現にあたしが
「…今、楽だよね」と
ふと思うことがあるので。
Windows10自体、
インストーラに任せとけば、
「使えるようになっちゃう」んだから!!



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「パソコンの達人」とか言ってると、
「どこが」って、感じるよね。
昔を知っている人間としては。
「おとしよりの、たわごと」