…粟野。
小学校の移動教室で、行くところ。
細かいところ、思い出せないけど。

確か、
「お土産屋さんが、来てくれる」んだよ。
粟野は。…そうじゃ、なかったっけ。
粟野は、「なんにも、ないところ、だし」
「ミルクケーキを、
 買った夜に、食べ切った」
あるあるー!
みんな、やっちゃうー!!

確か、粟野だよ。あれは。
「キツネのキャラクターの、湯飲み」
飲み口の所、ピンクのやつ。
誰へのお土産とも、言えなかったけど。
「まだ、あるはず、です」
この瞬間に乗じて、買っちゃえ!!
まぁ、「気づかれてた」とは
思うけどさ。今と、なれば。

たからもの、だったんだよ、
あの時は。
小学校前の文具店で買えるような、
小さなものでは、なくて、さ。
「自分のもので、
 ちゃんと、形が、あるもの」
そっと、机に置いておくのよ。




まぁ、その後。専門学校入ると。
若草物語 ナンとジョー先生の、とか。
七つの海のティコの、とか。
プラスチックの箸とか。
小さなお茶碗とか。
『イセザキ・モールで、買い漁った』
台無しも、いい加減にせぇよ、が
あたしなんです、けどね。

「すきなもの、かえられない」
もう、手遅れもいいところだー!
たぶんあたし、「死ぬまで、こんなだよ」