あたしが行った
中学受験の塾の塾長は、
地元では、名士と
崇め奉られていました。

とあるパーティで、
塾長はその座を息子に譲り、
自分は会長として、
一線から引いたところで、
子どもの教育に関わりたい…
そして、会長と塾長が、
パーティで崇め奉られて、
満面の笑みで写っている写真…

そんな、
「大人の、自己顕示欲」
「大人の、名誉欲」
丸出しの塾報が配られて、
親に渡すように言われました。

「もう、大人なんて、信じられない」
「大人になりたくない。
 こんな大人に、なってしまうのなら、
 大人になりたくない」

大人に失望したあたしは、
帰り道、塾報をびりびりに破り捨てて、
道端に捨てました。

そして、小学6年の時の、
自分の部屋で、
ひとりで、膝を抱えて、
「大人になりたくない」と、
思い続ける日々を、迎えることになるのです。

今でも、たまに、
自分が怖くなることがあります。
「あんな大人に、
 なってしまっているのでは、ないか、と」