高校の音楽室は、カーペット敷き。
入り口でうわばきを脱ぐルール。

そういう場所なので、
カーペットに座り込んで、
お弁当広げたり。
譜読みしたりというのが、
日常的な光景でした。

いつもどおり、
壁を背中にして、
ぼけーっ、と、座っていたら。
向かいの壁に、後輩が座った。

スカート丈が「ひざ上」ということは。
つまり。そういうことで、ございます。
「…おい」
そーっと立ち上がって、
消えようかと思ったんだけど、
見事、気付かれた。

「…氷室先輩!!」
「だから!
 そっと消えようと、思ったんじゃん!!」

やっぱり、あたしの「負け」ですかね。
「見たか」と、言われれば。
…「見えた」から、あわてたんです…