【放談住宅 2020/09/15】
ご近所のブログを眺めていて、
はた、と気づいた。

「そういや、戒名って、
 思いっきり男女があるねぇ」

あたくし、正式に帰敬式を受けた、
浄土宗信徒…の、はずです。たぶん。
いや!式は受けたし、お袈裟も頂いた!

戒名ねぇー。
生前に受けちまうか、とも
思ってみたり、
「死んだら、どんなんが、つくんかねー」
とも、思ってみたり。
一応、生きているうちに受ける、が
正しい?ものとされていおります。

浄土宗の形の戒名だと、
最後の2文字に、男女が出ます。
今の菩提寺がつけると、
一般的には信士・信女。
格が上がると居士・大姉。

個人的には。
「いくら戒名ったって、
 つけるのは人間なんだから、
 そら限界と言うものが、あるでしょー」
お浄土でのびのびと、好きなように
暮らせれば、それでいいんじゃねぇの?
「ほとんど」苦しみの無い、世界ですからね。
現世での話だからねぇ、戒名も。
だからー、信士がついても、
それはそれって、思っているけどね。
「鎌倉時代から続く、あの菩提寺を、
 説得して信女もらう」
えれぇ大変だと思われますので、
あたくしの考えでございます、
「名前は、記号」の考え方で行こうかと。
菩提寺がいい、と言ってもだよ。
親戚筋が疑問に思ったら、アウトなんですよ。
「あら長男だべな?
 なんで信女がついてんだべか?」
…喪主が説明するのが、
ものすごーく大変だと思いますのでー。
信士でいいです、はい。
「長いものには、巻かれるぅ!」
「折れる時は、あっさり折れるぅ!」が
あたくしの方針で、ございますので。

正直なところ、実は、
男女はそこまで、気にしてないんですよ、戒名。
気にしているところ。
「今、ぱたっと死んじまうと、
 院居士が来ちまうんだよー…」
分家して、祖父から始まっているとして、
墓誌に刻んである戒名は、すべて、
「〇〇院〇誉〇〇居士・大姉」の形なんだよねぇ。
誉号までついた、院居士。

祖父が欲しがったんですよ、院号。
「欲のない人だったんだから、
 そこは叶えてあげたいよね」
しかし、菩提寺としては、
「檀家になっていきなり、という訳には」
なので、当初祖父についた戒名は、
バランス的には、ちょっと不自然な
もの、だったんですよ。
「〇誉〇〇居士」
そして、三回忌まで、ウチの家族が、
どれだけ浄土宗檀信徒として、
真面目に生活できるか。
ご住職が、そこで判断する…と。

なので三回忌まで、お寺の行事は、
家族全員、雁首揃えて出席して、ですね。
盆棚だって、大喧嘩しながら、
きちんと形を整えて、ですね。
「きちんと、やります」という姿勢を、
きちんとお見せして、ですね。
三回忌に、「追号」と言う形で、
今の「〇〇院〇誉〇〇居士」になった。
そういういきさつが、あるんです。

次は、
「いきなり親父が死んだので」
戒名、どうなるんだろうねぇ?と
家族が思っていたところ。
ご住職が、「こんな形で…」と、
頂きました父の戒名、
「〇〇院〇誉〇〇居士」
あら…お願いもしてないのに、
院号来ちゃったんだ。
お断りするのも、おかしいでしょ、と
頂きました、院号。

そして、祖母。
祖母は、なんかっちゃー、菩提寺に、
『包んで』いましたので。
こう、すごーく柔らかくて、
すごーく風雅な雰囲気のある、
「〇〇院〇誉〇〇大姉」が、つきました。

こう「流れが」ついてしまうと、ですね。
次に、あたしが死のうが、
母親が死のうが、ですよ。
「〇〇院〇誉〇〇居士・大姉」が、
するっとついて、しまうのですよ。
頂いた瞬間は、いいんですよ?
「残された人が、
 折々それなりに、包まないといけない」
それは、大変だよね。
何より、
「院号じゃなくても、いいよね」と、
あたしも母親も、考えていますので。
「院号落とし」を、しようかと。
「〇〇〇〇信士・信女」で、いいよねー。
そう思っては、いるものの。
菩提寺に話を切り出すタイミングが、
すっごく難しくて、ですねー…
時間切れアウトで、
誉号付きの院居士に、
なってしまう気も、します。はい。

実はね。
「お寺の研修旅行に参加する」
これも、ある意味では、
「お寺のため」でも、あるんですよ。
お寺によって事情は異なりますが。
相部屋なのに、えれぇ高い参加費は、
「お寺の取り分がある」というのが、
暗黙の了解なんです。
普段の研修旅行は、バス旅行で、
田舎のお寺から出発して、
田舎のお寺に戻るので、
東京から参加するのは、難しいんだけど。
「新幹線か飛行機が、からんだ場合」
東京駅か羽田空港で、
合流して、帰りはお別れができるので、
お誘い受けると、「断りづらく」
何回もご一緒させて頂いてます。
…ということは。
「お寺に尽くした」形になるので。
やっぱり院居士が、近くなってくるー…

いや。名誉なこと、なんですよ?
誉号付きの院居士って。
ただ、思いっきり宗派は違うけど。
今住んでいるウチの、向かいのお寺みたいに。
「もう、うちはね!
 欲しけりゃあげちゃうの、院号!」
みたいなお寺があるのも、事実。
悩ましいっちゃー、悩ましい。

「もう、このまま、流されて」
死んだ後に、ご住職から頂いたものが、
一番ふさわしい、ものなんだ!
…と、いうことに、しちゃおうかねぇ…

あたしの、正直なところ。
「死んだ後までは、知らないよぉー…」
お浄土でよろしく、やってるから、
こっちはこっちで、
上手い具合に、やっといてよー…
なんて考えてます。

「なんとかなるんじゃ、なかろうか」
チョッコラ チョイと
パァにはなりゃしねェ、だっ!!
(196号)