あたしの場合。
ただ単純に、何にも考えず、
スーツで出ました。成人式。
思いつかなかったんだよーっ
振袖、着るのーっ!!

あたしの場合。
ハードルは、
そこまで、高くありません。
祖母に…
『成人式、振袖、着たい!!』
って、言うだけ。

そっから先、大変だろうなぁ…
祖母、そういうの、盛り上がるからなぁ。
「どこがいい!三越?高島屋?松屋?」
「うーん……おぐら」
「おぐらー?」
(おぐら:茨城県古河市で老舗の呉服店)
「東京だとー。アレかと」
「おぐらだと!親戚にわかっちゃうべな!!」
「半分くらいは、気づいてんでねーの?」
「おぐらは、やめとけ!!」
「わかったー。…オススメは?」
そのまーんま、デパート巡りに
なると、思います。

なんか。
「泣かれそう」な、気がする。
「おめも、振袖着る、歳になったんかー…
 こないだ七五三だったなー!
 はえぇもんだ、なー!」
「えー…感動しているところ失礼しますが、
 中身がアレなのはー、よろしいので?」
「おめ、白くてかわいいから、よかんべ」
「そんなんで、いいのーっ!」

百貨店にて。
「この子に、一番いい、振袖を!!」
「ちょっ!ちょっ!ちょっ!
 お値段はご相談させて頂きたいかと」
「一生に一回だべなー!
 安いのは、ゆるさねーよ!!」
「いやだからー…
 女の子なら、それ、乗るけど。
 …男の子」
「かまねーべな!金は、払うんだから!!」
「はーい。。。」
「おすすめは、こちらで」
「うーん…ちーっと野暮ったいなぁー」
「そんなことないでしょ…
 うわ。すご。…たかっ!!高い!!ゼロが多い!!」
「ん?こんなもんだんべぇ」
「すごい船乗っちゃった。いいのか、なぁ…」

母、若干、むくれる。
「アタシより、高いのを!!」
「いやだからー。
 おばあちゃんが、納得しなかったんだって!!」
「ぜいたくもの!!」
「子どもの成人を祝いやがれ!!」
「知らない。ふーん!!」
「子ども、なんだからー…」

祖母、また、盛り上がる。
「みんなで着物着て!!
 写真作ってもらうべ!!」
「え゛・・・いいの?」
「かまねーべな。金は払うんだし」
「カルいなー…ウチって」

いざ、成人式。
「ひさしぶりーっ!」
「…だれ?」
「希!希!!本中の!!」
「あーーーーーー!
 …ほんもの?」
「どういう本物だか、わかんないけど。
 ほんもの、だよ?」
「みんなーっ!!!
 希が女の子に、なったーーーっ!!!」
「ちょーっ!!!!
 そういう意味じゃ、ないーーーっ!!」
「あー…
 髪の毛、どうしたの?」
「残念ながら、かつらです。コレ」
「へー!
 あんま変な感じ、しないねー!」
「…いいんでしょうか(下を向く」
「いいんじゃん!!いいんじゃん!!
 ねー!いいよねー、みんなーっ!!」
「みんな、やさしいなぁ(涙」
「泣くと、メイク崩れるよー」
「そこは、かんぺきです。
 …ウォータープルーフメイク!!」
「…さすが、希…」
「あ、男の子集団にも、挨拶してくるねーっ!」

「ひっさしぶりーっ!!」
「…だれ?」
「みんな、そうか…
 希!希!本中の!!」
「あーーーーーーー!!!
 眼鏡は?」
「そっちか。コンタクト」
「へーーー…
 おめでとー(ぱちぱち」
「いや、みんなが成人式でしょ」
「いやなんか、おめでとー(ぱちぱち」
「良くわかんない、なぁ」
「普段も、女の子なの?」
「さすがに違う。成人式だけ。振袖だぞっ
 (くるんっ!!」
「まーーーーーー。
 希なら、不思議はないなー。やりそう」
「いいんでしょうか。これで」
「いやー。いいんじゃない?
 おめでとー(ぱちぱち」

…リアルあたしを知る人なら。
「さも、ありなん」と、
言うと、思います。コレ。