これ。
「同人誌」なんでねぇ。
「反則」だとは、思いますが。
これほど…
自然に、境目のない男女のゆらぎを
描いた作品はない、と
思ってますので。
今夜の最後は、これで。
水人蔦楽(みずのとつたら)の
作品です。

最初のモノローグから、
もう、すごい。
「私はある日
 セーラー服で学校に行った
 つまりそれだけの
 ことだった」
これから、物語が始まるという、
もう、すごい作品。

転校生の、矢萩蒔が、
セーラー服で、登場します。
「が、男の子」
あまりに自然すぎるので、
先生も、気づいてなかった。
『矢萩 この書類 まちがってるぞ
 「男」にマルが ついてる』
『男ですよ』

『いやだからこれはー…』
『私は 解剖学上 男です』

これ、「何年」だと、思う?
なんと。
『1994年!!!』
びっくりだよね、もう。
確かに。
当時のコミティアで、相当、
話題に登った、作品。

で。矢萩蒔が、
セーラー服で登校した理由。
・私服の学校から転校してきたけど、
 この学校は、制服必須。
・なら、似合うし、
 詰襟の首が苦しいので、
 セーラー服にした。
ほんと、これだけ。
純粋に、これだけ。

しかし。
時代が時代だけに、
先生が授業を受けさせて
くれなかったり、した。
…そこで。
「欅の木に登って」
双眼鏡を使って、
授業を「見て」勉強していた…という、
けなげすぎる…
けなげすぎるよー…蒔。

で、「女らしさ」に、
苦しんでいた、久凛さんと出会います。
久凛さんには、最初、
蒔が、わからない。
「私にとっちゃ そーいう
 「女らしさ」って 息苦しいものだぞ」
「それは全く反対だよ
 久凛さんにとって「女らしさ」が
 息苦しいように
 私には「男らしさ」が
 息苦しいよ」
そして、二人は、仲良くなります。

こんどは、久凛さんが、思い切ります。
『学生服で、学校に、現れた』
「男でもない ただの私だ
 何を着てても 私は私だ」

そして二人は、いろいろあってから、
「変なヤツ」というポジションで、
受け入れられます。
そして…

「卒業した今
 私たちは 互いの服を共有する
 生活を楽しんでいる」
と、締めくくられます。

もうね!!
これだけ「濃い」のに、
どろどろ感、まるで、なし!!
なんだろ…
「数日、頭が、
 ぼーっと、してました」
オフセットで出たのが、一年後なので、
そうか。専門学校の一年目、かー。
まぁ
専門学校でも、あたしは、
好き勝手、してたんですが、ね。

そうか…18歳、か。あたしが。
専門学校一年目で、
最初に髪の毛、伸ばして。
二年目で、鉄道現業に戻るために、
髪を切る、決心をした時。
『男でも女でもなく、生きる』
と、自信を持って、決めました。
新宿駅の、公衆電話の、前で。
20歳の、時です。
(あたしの出身学科は、
 「三年制」です)

『たぶん。』
この二人がいなければ…
決心、できなかったと、思います。
大切に、大切に…
あたしの、本棚に、あります。