志らく、よ。
いみじくも、立川流は、
江戸落語、だろう?
だから、お前さんは、
『江戸落語の噺家』だろう?
それに異論は、ないわなぁ。

江戸落語の噺家が!
『野暮の極み』ったぁ、
どういうこった!!
お前さんには、
「江戸の心」が、
ないんか!!

ないんだろうな。
1963年、世田谷区生まれだから、な。
まだ、玉川通りには、
玉電。路面電車が、
ゆーっくり、走っていた
ところだから、な。
江戸の頃は…
「狸が出る!!」って、
言われたところ、だからな。
「砧の狸」ったぁ、
語呂合わせで、有名だぁ、な。

だから、江戸っ子には、
「志らく嫌い」が、
ムチャクチャ、多いと、思うぞ?
江戸っ子は、「やせ我慢」だから、
余計なことは、言わねぇの!!

…居酒屋で、
「なんだ、あんな女。
 別れた女だ、知らねぇな、あんな女。
 けっ!!」とか、カッコつけて。
長屋に帰って、誰もいないところで…
わんわん、声上げて、
未練タラッタラで泣いている…てのが、
江戸っ子だよね(苦笑)
そーいうもんなん、だもん。
江戸っ子って。

この、ね。
『江戸っ子の心・魂』ってのは。
「どうやら」
旧・江戸。旧・東京十五区に、
生まれ育たないと、ダメみたいなんだよね。
ウチですら!!
「大川の向こう」って、
言われちゃうんだから!!
…でも、水戸様のそば、だぞ。

7代目立川談志は、
「小石川の生まれ」だから、
そらー!小石川区だから、
東京十五区。
江戸と名乗るに、異論は、ない。
で、戦争がからむ年代だから、
育ちはー…若干考えねぇと。な。

志らく。お前さん、さぁ。
「芝浜」のくだりで、さぁ。
大宴会したあと、
「財布が、ねぇ」と、
かみさんに言われた時。
ころっと、だよ。
ころっと。
心入れ替えて、まじめに働く、男が。
自信持って、
「噺せる、かい?」
その男の心が、
「わかる、かい?」
できる。わかる、と、
言うのであれば。
…余計な事、べらべら、しゃべるのは、
「出来ねぇ」と、思うが、な。
しかも、テレビで、だ。

『やせ我慢で、恰好つけろよ!!』
長屋に帰ったら、いいんだよ!!
泣くも、よし。
賢く振舞うも、よし。
けど。
「木戸を出た、その時に」
背筋を伸ばして、
『やせ我慢を、するのが』
江戸っ子だと思うが、なぁ。

…と。
『余計なことを、言いましたので』
今夜のあっしは、江戸っ子と名乗るに、
肝心な「魂」が、ござんせん。
これ以上、余計なことを言いますと、
どうやら命が、危ないようです。
あっしは、明日のお天道さんを、
拝みたい身でござんすから。
このへんで。畳みたいかと。
おあとが、よろしいようで。



……
なんか、あたしの方が、
上手く「落とせた」ぞ?
ちょ、ちょ、ちょ。
「落語、できる…?」
あ゛!
小学校のお楽しみ会で、
あたし一席、やった!!
噺は…
『王子の狐!!』
いやぁ。素人、子どもながら、
あれはー。うまくいったぞ。うん。
「王子の狐」を噺す子どもなんざぁ、
粋だねぇ!!我ながら。
『このくらいの野暮は、ご勘弁を』