高校の、音楽室の、
隅っこのアップライトピアノ。
まー、だいたい、
アニメ曲ばっかり、
弾いてたんですが、ね。
…セーラームーン、とか。
…ミラクル☆ガールズ、とか。

たまーに、思い出したように、
サティとか挑戦するんだけど…
『この曲はぁっ!』と、
挑戦したのが、
モーツァルトの
ピアノソナタ、K.545。

たーん、たんたん、
たー、たらら。
「あれ?
 氷室先輩、めずらしく
 クラシック曲、弾いてるよ?」
「ほら、この曲…」
「あー…そういうこと、か」
そー、「トリルぅ?」
そー、ふぁそふぁみふぁ、み…
「で、いいの?」
いち、に、さん、し。
いち、に、さん、し。
そー、ふぁそふぁみふぁ、み…
そー、ふぁそふぁみふぁ、み…
…くっそう。
「苦労してる、苦労してる…」

たーたらたらたらたら
たらたらたらたら
たーたらたらたらたら
たらたらたらたら
たーたらたらたらたら
たらたらたっ「コケたぁっ!」
「へたくそー」
「うるさいー」

何か弾きづらい、弾きづらいと
思ってたんだけど…
「モーツァルト、だったんですね」
そりゃ、弾きづらい訳だ。

ま。
これを、弾きたかっただけ、
なんですけど、ね。


『これは、
 誤魔化せている』と
思っていたのですが…
後輩には、モロバレでした。
「先輩、ママは小学4年生、好きだよね」
「なぜ!知ってる!!」
「ピアノソナタはー…と
 思ったんだけどー。
 オープニングも、弾いてたじゃん」
「あ。う…バレてた、か」

軽くチューニングしたフルートを、
アップライトピアノの上に、置いて。
「ひたすらピアノ、弾いてた」
えらい昔に、なっちゃったなぁ…