「眠剤飲んでから、書くんじゃないよ!」
「…ノッて、しまったので」
「文章が、酔っ払ってるぞ!」
「平に、ご容赦」
原稿用紙5枚

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 何年、クローゼットを片付けていなかっただろう。この家が建ったのは、私が小学生の時だ。それ以来、自分の服は足して……足して……そして、もうクローゼットの中には少しの余裕もなくなっていた。私は思いきって、古い服を段ボール箱に出すことにした。大きな段ボール箱がいっぱいになるほど、古い服がたまっていた。
「おねえちゃーん! なに、やってるのー!」
「んー。古い服、整理してた」
 弟の輝が、いつものように部屋に遊びに来た。
「この箱、見ていーい?」
「いいよー」
 輝はすぐに、紺のワンピースを手にしていた。私が小学生の頃、デパートでお母さんに買ってもらった、お出かけ用の服だ。輝は目を輝かせながら、ワンピースを見ていた。
「これ着たおねえちゃん、好きだったなー」
 私はふと、いたずら心を出してみた。輝からワンピースを受け取ると、輝の体に合わせてみた。
「今の輝に、ぴったりじゃない? 着てみたら?」
「え……」
「赤くなってー! ったく、かわいいんだから。家の中だし、だいじょうぶ、だよ」
 ワンピースを受け取った輝は、ワンピースを広げたり、ひっくり返したりしていた。
「着かた……わかんない」
「ほら、ファスナー下げたから、これで着られるよ。今の服、脱いでみな?」
「……こう?」
 うわ、似合う。さっきまで男の子だった弟が、まるで私が小学生の頃みたいに、自然な女の子になってる。
「びっくりした。似合ってる」
「ほんとう?」
「ほら……鏡、見てみな」
「わぁ……かわいい」
「もっと、かわいくしてあげようか」
 私は引き出しからヘアピンを取り出すと、輝の髪にさした。輝のやわらかな髪に、銀のヘアピンが輝いていた。
「ほら。どう?」
「……僕、かわいい?」
「自分で見て、どう思う?」
「……かわいい」
「じゃ、かわいいんだよ」
 輝は姿見の前で、ポーズを取ったり、回ったりしていたと思ったら、突然走り出した。
「おかあさんに、見せてくるーっ!」
「チャレンジャーだな、おい!」
 リビングでおかあさんの笑い声が聞こえたあと、おかあさんは輝の肩に両手を置いて、輝はその両手をにぎりしめて、私の部屋に来た。おかあさんは私のベッドに座ると、輝の姿を見ていた。
「かわいいー。娘みたいだな、って思ってたけど、ここまでかわいいとは……思ってた」
「おかあさん! この服、今日一日、着ていていい?」
 私とおかあさんは互いを見つめたあと、おかあさんは微笑みながら言った。
「家の中なら、好きにしてて、いいよ」
「やったぁっ‼」
 飛び跳ねて喜んでいる輝の姿を見ながら、おかあさんが言った。
「娘が……増えたみたい」
「いるじゃん、ここに。立派な娘が」
「その娘、最近すっかり、大きくなっちゃって」
「……割と、ひどい」
「そうか、輝が、いたんだ。また、娘の子育てが、できるんだぁ」
「いや……」
「細かいことは、いいんじゃないの? なにより輝が、喜んでるし」
「雑な認識」
 そして輝を見ると、スカートを広げて回ってみたり、姿見の前でバレエのようなポーズを取ってみたり、すっかりワンピースが気に入ったみたいだ。
「ねぇ! 女の子に、見える?」
「見えるよー」
「かわいいよー」
「やったぁっ‼」
 輝は飛びはねて、喜んでいた。その姿は、私が小学生の頃みたいだった。
 ※眠くなってきたので、ひとまず、休止※
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あくまでこれ、『仮組み』です。
イメージを文章に落とすと、
「どう、出てくるか」
確かめたかった…
という感じの、ものです。
「まるっと」
書き直すかも、知れません。

あと、
「縦組みと横組みで、
 見え方が違うから」
いったん、横組みにして、
見てみた方が、いいみたい。
見え方が変わるから、
軽い校正の代わりや、
表現の検討も、できる感じ。

当然、あたしが書くもの、だからー。
輝は、このあと、
『認められ、まくります』
そういう小説が、
一本あっても、いいじゃん。