「ウィッグ、買うたやんか」
「買いましたねー。
 つい、に」
「で…どうするん?」
どうも、しない。
 小学生の頃とかに、
 女の子たちがやってた髪型、
 実際やると、どうなのかなー…
 みたいなこと、やりたいだけ」
「二重生活は、しないんやな」
「大変だもんっ!!
 まず腹を引っ込めないと…
 今、服は何号、入るんだろう。
 20代の頃は、
 ギリギリ11号、入ったのにー」
「諸行無常の響きあり、やな」

「そもそも、あたし自身が、
 完パスは、目指してませんっ!!」
「あれ。そうなんや」
「声が、めんどくさい。
 ちょっと前に見つけた、
 女声に近い発声点も、
 気づいたら、忘れた」
「黙っとる訳、行かんもんな」
「ホルモンもしてない、
 なにも、してないで、
 完パス目指したら、
 つらい、だけですっ!!」

「とは言え。
 女装さん、というくくりが、
 都心部だと、結構出てきたので。
 昔みたいに、
 外に出られないは、ないかもね。
 けどー…
 メイクの流行りとか、
 きちんと、追わないと、
 個人的には、自信が出てこないな」
「流行り、すたりが、あるんやね」
「男性の髪だって、そうだよ?
 昔は柳屋ポマードや、
 丹頂チックで、
 てっかてか、だったでしょ?
 その後、バイタリスやMG5が出て、
 かなりナチュラルに、なった。
 そして、男性もドライヤーを
 使うようになって、
 あんま、整髪料っぽく、
 なくなった。…と思ったら!!
 今、ワックスが流行り。
 個人的には、ワックスは、
 柳屋ポマードと、どこが違うのか、
 わかんない…って、思う」
「言われてみれば…」
「正直、女性のファッション誌、
 買うー?とか、思ってる。
 けど、あれも、
 ターゲット年齢を間違えると、
 イタく、なるからねー…
 むずかしい」
「スーツだけでええ、という
 話ではないからなー。
 女性、は」
「まぁ…ZARAとか、上手く使うと、
 お金的には、ラクだけど。
 …腹っ!!」
「引っ込めーやー」
「…めんどくさい」

「この年齢で、ゆめかわ、とか目指すと、
 痛いんだもん!!見た目が!!
 …でも、好みはそっち、なんだよね」
「細かい分、女性は大変やのー。
 …オカーチャンは、どうなるん?」
「ウィッグも、知ってて、
 メイク道具も、
 持ってるの知ってるから、
 あ、出かけるのね、で
 終わると思う。
 ついて来られるよ、たぶん!!」
「めんどくさい話やなー…」

「個人的に。意外な盲点として。
 胸は、ほとんど盛らなくても、
 それなりに見える、と思ってる」
「…なんで?」
「リアル女性が、
 みんなCやらDやら、な訳が、
 ないでしょっ!!
 AやAAで悩んでいる人が、
 いっぱい、いるわけだし。
 逆に、盛ってる人が…
 言いづらいけど…」
「あ、ああー」
「靴下丸めて、突っ込むくらいで、
 あとはブラの形に、任せた方が、
 むしろ、いいのかなって、
 最近、思ってます。
 似せ者で、いいの。あたしは」
「珍しいタイプ、かもな」
「引くって…難しいんだよ。
 実際、は。
 憧れフィルターが、あるし。
 でも、あたしは、引きたい方」
「引くことで、自然さを出す…か」
「どうなるか、わかんないけど、ね」