「あっ!!
 しゃべり方記事読んでて、
 ふっ、て、思い出した!!
 あたし、物心ついた頃は、
 一人称は『私』だった!!
 『僕』に、直された!!」
「ホンマかいなー…」
「幼稚園からね、苦情が出たんよ」
「女の子っぽい?」
「いや、それは言わない。
 小梅幼稚園、
 細かいことは、キニシナイ。
 あたしねー…
 大人のしゃべり方の
 丸写しだったから、
 まず、父親と母親は、
 名前で呼んでたのね。
 で、祖母は『おかあさん』って。
 祖父は『おとうさん』
 『家族関係、わかんなくなるから、
  なんとかしてくれっ!』って、
 幼稚園から、苦情が出た」
「それで許しとる、
 両親も、大概やなー」
「でも、『おばあちゃん』は、
 祖母が拒否して、ね?
 そんな年寄りみたいな
 呼ばれ方は、ヤダって」
「また、ややこし…」
「なので、両親は、
 パパ・ママ。
 祖母は…妥協してもらって、
 『おばちゃん』に、なった。
 その時、言われたもん!!
 『僕って、言いなさい!!』って!
 あ、思い出してきた。
 『僕』が最初、言いづらかった。
 やっぱり『私』に、なっちゃった。
 いやー!
 生まれつき、だったねー!!」
「嘘の、ような?」
「本当の、話」

「そりゃ、女の子集団に、
 入っちゃうよ、ね。
 たぶん、完璧に、
 自分のこと、勘違いしてたね。
 『服とトイレが、ちょっと違う』
 その位にしか、思ってなかったね!!
 いやーーー!!!
 一周して、ちょっと変わって、
 『あたし』に、戻ったのかー!
 …感動が、あるね」
「あるんかー…そういうの」
「もっとも、ほら。
 大学病院で、『生まれない』まで
 言われたから、さ。
 元気だったら、
 男の子でも、女の子でも、
 良くわかんなくても、いいっ!!
 本気で、そんな感じだったんだろうね。
 幼稚園からの苦情がなければ、
 そのまーんま、ずーっと、
 『私』で、突っ走ったよ?
 ま、小学校あたりで、
 結局は『僕』に直された
 だろうけどね」
「家族は、男女は、
 どう、扱っとったん?」
「本気で…どっちでも、いい、だった。
 思い出の中の、
 白いラビットの毛皮も…
 丸いポンポンがついた、
 本気で、かわいいの、だったし。
 そして、本人が好きだったら、
 哺乳瓶も、持たせておいて、いいか!
 本気で、そんなノリ」
「じゃ、ウィッグ買うたのは…」
「母親としちゃー、
 いまさら、驚くことでも、
 ないんじゃないのー?」


「思い出したの、相方のおかげやー。
 すまんかった。大切に扱うー」
「さよかー!いたわってやー!」
「ぜんまいのところ、
 ミシンオイル、差したげる」
「結局、俺はぜんまい、かっ!!」